米国公認管理会計士は、その名前のとおり米国の資格であり、当然のことながら試験問題はすべて英語となっています。
では、この試験の合格に求められる英語力水準はどの程度なのか?
まず、リスニング試験があるわけではないため、リスニング力は全く求められません。
とはいえ、筆記試験だからReadingができればいい、という訳でもありません。
USCMAは100問のMultiple choiceと、大問2つのEssay問題とで構成されています。
Multiple choiceは多肢選択型(4択)で、問題のレベルはピンキリです。つまり難易度の低い問題を的確に探し出して回答する、ということが必要になってきます。
点数は正解数に応じているため、難易度の高い問題に時間を費やすのは得策ではありません(つまりどの問題も配点は同じ)。その見極めをするために、英語力がある程度必要になります。
Multiple choiceは四つのタイプに分かれます。
①問題文が文章で、回答も文章
②問題文が文章で、回答が数字
③問題文が数字を含む文章で、回答が文章
④問題文が数字を含む文章で、回答が数字
このうち、②はほとんどありません。③も少ないです。
よって、①と④に対応できれば良いということになります。
まず①問題文が文章で、回答も文章。このタイプの問題の場合、”暗記もの”については英語力はそれほど必要ではありません。問題文もそれほど長くなく、回答も一言が多いので、途中まで問題分が読解できて、何となく意味が分かるレベルであれば、回答可能です。
私の感覚では、TOEICの筆記で300点以上あたりがボーダーかと思います。英検であれば2級くらいでしょうか。
一方①の中にも長文問題、長文回答、というタイプがあります。これは法制度を問う問題やプロセスを問う問題等、バラエティーに富んでいますが、覚えているだけでは回答できませんので、文章内の矛盾・間違えを消去法で消す力が必要です。
この問題タイプの場合は、まぎらわしい回答の中から最適なものを選び抜く力、が必要です。
私の感覚では、TOEICの筆記で350点以上あたりがボーダーかと思います。英検であれば2級から準1級でしょうか。
さて、次に④問題文が数字を含む文章で、回答が数字。。。。
みなさん、これがUSCMAの肝と言ってもいいでしょう。いわゆる計算問題です。
問題文の中に数多くの数字が登場し、その数字を適切に使って回答を導く、というもので、英語力もさることながら、数値計算力も求められます。ここで必要なのは、①と異なり、情報をいかに読み取るか、という英語力です。
文章の矛盾や間違えをくみ取る力ではありません。
手に入れた数字を、論理的に組み立てはじめたら、あとは計算力がモノをいう世界です。
以上、Multiple choiceはおおむねTOEICで350点以上の読解能力と、長文から情報を的確にとらえる英語力が必要と言えます。
私はTOEICの筆記が400点少々のところで受験しましたところ、英語がわからん、ということはほとんどありませんでした、どちらかというと、スピードが大切でしたね。
また、全体として単語力はそれほど必要ありません(英検に出てくる単語のような難易度の高い単語は出てきませんので、どちらかと言えばTOEICに近いです)。ただし、Finance関連の用語はテキストを読み込むなどして、押さえておきましょう。Finance用語がわからないと、そもそもスタートラインに立つことさえできません。
以上。
少し長くなってしまったので、Essay試験の英語力については次のパートでご紹介します。
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