2016年3月23日水曜日

USCMA(米国公認管理会計士) 絶対得するPart1の合格戦略

米国公認管理会計士を目指そう、と決めた方が、テキストを購入したら、いよいよ学習できる準備が整うことになります。はっきり言って、米国公認管理会計士は、GLEIMもしくはWILEYのテキストをPart1, 2の二冊購入すれば、それだけひたすら繰り返すだけです。サブテキストなどは必要ありません。ですので、テキストを購入したらもういつでも学習を開始できるわけです。私が考えるに、この時点で何パーセントかの方がふるい落とされると思っています(!)。何を言っているのかというと、テキストを購入したはいいけれど、こんなに分量が多いのか、と思う方が結構な数いらっしゃるのではないかということです。ですので、よっぽど強い意志を持っている方を除いて、まずは

①Part1か2のテキストどちらかだけを購入する(CDは買わず、書籍だけのものにする)
②この時点ではIMA会員にならない(会費は高いです)


ことをオススメします。
私自身、Part1のテキストが届いてから、しばらく放置していました。問題の多さに全くやる気が起きず、おそらく1~2か月は何もしなかったのではないかと記憶しています。米国公認管理会計士を目指す方の多くは、社会人として少し経験を積まれた方になると思いますので、仕事に時間を割く時期と重なります。その中で、日々ある程度の時間を確保していくことは予想以上に大変なことです。

Part1は、Financial Planning, Performance, and Controlというタイトルで、このタイトルからするとどんなにカッコイイ内容が含まれているのだろう、と期待すると、実はかなり多くの計算問題に悩まされることになります。計算ができてこそ、管理会計ができると言わんばかりの問題数です。暗記事項だけで、コントローラーにはなれない、ということを言っているかのようですね。

GLEIMのテキストでは、Part1が10章構成になっています。それぞれの章末に問題が70-80問ほどありますので、全部で700問くらいの問題を解くことになります。

さて、この700問、一日何問解くぞ!と決めてかかるのも良いのですが、難しい章と簡単な章が極端ですので、次のように分けて考えると良いです。

1-2章     :Budget 全般 ->これは用語中心なので暗記で何とかなる
3章   :Cost Management全般 ->これも用語中心なので暗記で何とかなる
4-7章  :Cost関連の計算問題たくさん
8章   :Responsibility Accounting ->これも用語中心、計算も少しあるが難しくない
9-10章 :Internal Control & Ethics ->これも用語中心なので暗記で何とかなる

結局、Budget, Cost, Controlの三つで構成されているんです。そして、メインはお分かりのように、4-7章のCost関連の計算問題たくさんです。それ以外の章はそんなに難しくないですし、読み物としてテキストをざっと読んで、そのあと問題を解いていけば、どんどん頭に入っていきます。これらの章を勉強していると、あ~、USCMAとしての知識を得ているなあ、という気持ちになっていくはずです。

大変なのは、Cost関連の計算問題の部分です。ここは何度か手を動かして計算練習しておかないと当日も太刀打ちできません。問題を見た瞬間にどういった感じで計算を進めていけばいいのか、ということがすぐに頭に浮かばないといけませんので(回答時間は一問あたり2分未満です!)。
ぜひ多くの方が、このCost計算に習熟いただき、あらゆる応用問題に対応できる力を身に付けていただきたいとおもいます。だいたい、3回くらい繰り返すと合格点に達すると思います。



2016年3月14日月曜日

USCMA(米国公認管理会計士)以外の資格(簿記やCPA、BATIC)について

このブログは米国公認管理会計士(USCMA)について書いているのですが、私は他にもいろいろと資格の勉強をしてきましたし、身近にそういった資格を取得されている方と仕事をしてきましたので、就職活動、転職活動において、どういった資格が評価されてきたかということを、私見のみで書いていきたいと思います。

①日商簿記1級、2級、3級

私が新卒の就職活動の時には、日商簿記2級、3級を引っ提げて臨みました。理系大学院卒のバックグラウンドでファイナンス職を志すにあたり、日系企業の経理財務部、外資系企業のフィナンシャルアナリスト職、どちらに対しても日商簿記2級は評価されましたコントローラーとして活躍するために、そのベースとなる会計知識を学ぶことはとても有意義で、スタートラインに立つという目的においてこの資格の右に出るものはないと思います。日商簿記2級の資格は経理部で伝票を切るだけの資格にとどまりません。外資系コントローラーを目指す方があとで足をすくわれないために、取得しておく価値が十分にあります。
逆に言えば、将来的に経理部の方と会話する時に困らないための資格とも言えます。

ちなみに、私は1級は勉強だけして合格していませんが、1級取得の女性と、2級取得の私とで集団面接に臨みましたが、利益管理関係の職種では彼女とそれほど印象に差はなかったように思います。実際の評価はわかりませんが、新卒の段階では1級と2級の差はわずかだと思われます。

転職活動においても、簿記を知っている=日商簿記検定2級を持っているという感じでした。これを持っているだけで基礎力があると判断され、基本的なセミナーなどへの出席は不要という評価となります。よりレベルの高い仕事にすぐに入っていくためにも、転職市場においても価値のある資格です。

1級の内容は、7-8年目になった現在、徐々に必要性を感じてきています。連結会計については、知っていないとそもそもそういった話ができないので、連結を知るために1級を勉強しておくことは意味があります。

②BATIC

こちらも会計系に興味のある方でしたら気になる資格だと思われます。いわゆる英文会計のベース資格です。日商簿記検定と同じく、東京商工会議所が主催している資格で、Level 1、Level 2という二つのレベルで構成されています。内容は仕訳や計算が中心で、英語ベースで会計知識を学ぶことにはとても意味がありますが、日商簿記検定の英語版にはなりえませんし、知名度も日商簿記検定よりも低いです。私は外資系でファイナンス職に就いていましたが、BATICを持っていると言っている人には一人も出会いませんでした。

私は大学生の段階で、Level 1だけ勉強して英語の表現を学ぶことができました。また、Level 2に出てくる内容を社会人になってから見返してみると、一つ一つのコンセプト(考え方)をざっと知っておくと良いかな、と思える内容でした。そういう意味で、内容としては実務上も価値のあるものなのですが、費用対効果、時間帯効果でしたら、圧倒的に日商簿記検定をおすすめしたいです。

③USCPA(米国公認会計士)、USCMA(米国公認管理会計士)

そもそも大学卒業していないと受験資格が得られないので、新卒段階でこの資格群を取得しておく必要はありません。が、これらの資格のことを知っているということはとても重要です。新卒の段階で、米国公認会計士の勉強を今後していく意思を示すことはとても有意義なことのように思います。研修プログラムが充実していると言われている企業においても、ファイナンス系の研修がそろっているという企業は極めてまれだと思われますので、ファイナンス分野で身を立てていこうという方にとっては、自主的に勉強を継続していく必要があります。
どちらの資格も英語力が求められますので、英語を高めていく意思を示すことにもなりますので、新卒の方にはぜひこれらの資格を将来的に見据えて就職活動をしていただきたいです。

一方、転職活動においては、これらの資格はかなり威力があります。USCPAなどは募集要項にも記載されているケースが多く、書類選考通過までは保証されていると言っていいのではないでしょうか。

④MBA

新卒段階でMBAを勉強している学生が、増えているように思います。いわゆる、大学院で経営学専攻をされている学生です。ファイナンス職を志す方にとっては、これらの方々が新卒市場でのライバルとなることも多いと思います。が、専門的な論文・研究をされていることのほうが、私はずっと価値のあることのように思えます。多くの企業はMBAに採用を限定していませんので、MBA採用をしている企業を狙うのでなければ、新卒段階でこれを取得しなくても大きな問題ではありません。大学における”ビジネスと関係のないものに熱中できる時間”をぜひ大切にしていただきたいです。

私の先輩でも、米国のビジネススクールに合格していましたが、USCPA取得を選んでいます。もしMBAに興味があるのであれば、社会人として2-3年経験を積んでから米国ビジネススクール、そして外資系のお好みの企業に転職という方法であれば成功事例が身の回りにあります。あとは、Managerになってから、日系のビジネススクールの夜間・土日クラスに通う、というケースも良いと思います。

優秀な方であれば、MBAに入学せずとも、海外本社へのアサインメント等でビジネスを(MBAとは違いますが、実践的な形で)学ぶ機会は与えられている例が多いですので、まずは自分の足元の仕事に集中して、それから検討しても良いのかな、と思います。

⑤TOEIC、英検

最後に、英語系資格について書いてみたいと思います。英語系資格は、上のすべての資格の中で一番威力があり、一番汎用性があり、一番使えますが、一番伸び悩む人が多いスキル、という印象です。
TOEIC700くらいまでは非常に数が多く、目を引くほどのアピールにはなりません。800を超えてくると、新卒市場ではかなりの威力を発揮します。英語の試験は簡単にパスできますし、英語力が不足しているという理由で落とされることはほとんどありません。英検では準1級レベルがこれに相当します。

次に、TOEIC900の水準は企業内評価はそれなりにあり、英語系の仕事でも問題なしと判断されます(英文メール、海外アサイニーとの会話等)。外資系企業での転職市場でもこのあたりになれば、まず英語力不足を理由として落とされることはないものと思われます。ただし、転職市場においては、転職エージェントの方との英語チェックがありますので、実際はそこで”英語が話せない”TOEIC900ホルダーはちょっと外資系では厳しいかな、という評価になる可能性がありますので、エージェントとの面談アポを取った方は注意してください。

上記の点数は、入社するまでの英語力としては十分というだけであり、実際に外資系で英語を使って仕事を円滑に進めるためには、だいたいTOEIC950が必要です。950を取ればよいという意味ではなく、結果的に950をとれている方が、外資系でも生き生きと働いているという意味です。
私の周りでも、900と950の差は顕著です。この50点の差は、会社での評価を左右すると言っても過言ではないくらいの大きな差ですので、英語については特に力を入れて勉強していただきたいと思います。
ちなみに、英検1級ホルダーは身近にはいません。TOEICの方がビジネス向きと思います。

まとめ

以上のとおり、ファイナンス職に関係のある資格をいくつか私の視点で書いてみました。
主観で述べたものですので、ほかにも多くの要素が重なり合っていることは言うまでもありませんが、これからこういった資格を取得してみたいと思う方々は、ぜひ一つの参考としてみてください。

2016年3月8日火曜日

USCMA(米国公認管理会計士)の合格率を少しでも上げるためのテクニック

すでに米国公認管理会計士(USCMA)の勉強をある程度進めている方に向けて、今回は試験で1点でも多く獲得するためのアドバイスを書きます。

試験はMultiple Choice 100問と、Essay(記述式)が3-4問の構成で、Multiple Choiceが3時間、Essayが1時間の合計4時間です。Multiple Choiceが3時間未満で終われば、その時間をEssayの時間に回すことができます。Essayは難問・奇問は少なく、時間があれば解ける印象でしたので、Multiple Choiceを2時間30分で解き切るくらいのスピードがあると有利です。つまり、ファイナンス用語中心の英文を、急いで読んで理解し、計算を開始することができるレベルが求められます。私はTOEIC800-850のレベルで臨んでいますが、Multiple Choiceは2時間50分くらいかかり、残りの10分で見直しをしましたので事実上Essayに時間を回すことはできませんでした。

1.試験会場で配られるもの

鉛筆数本、計算用紙5枚程度(しっかりとした厚口の紙)の二つです。自分のお気に入りの文房具は使うことができません。電卓はPC上に表示されるものを使うこともできますが、卓上電卓を会場入り口の人に言って借りることができますので、普段から卓上電卓に慣れている方はそれだけで時間短縮になります。計算用紙は試験管を読んで枚数を追加することもできますが、100問のMultiple Choiceを解き切るのにちょうど良いくらいの分量ですので、時間節約のために追加はしないで臨むのをオススメします。

2.Multiple Choiceに入る前にやるべきこと

最初にTutorialがあります。画面の見方や、機能の使い方について英語で説明が行われているページが何ページもあって、所定の時間内で読むことができます。。が、この時間も無駄に過ごしてしまってはいけません!Tutorialの時間は、試験時間の4時間には含まれませんので、この間に、ぜひ暗記しておいた内容等を計算用紙に書き込んでください。私は、現在価値計算に用いられるであろう表をあらかじめある程度計算して作っておきました。これで、リスクフリーレート4%で5年後のCash Flowを現在価値に直すには何を乗じればよいか、という計算が一瞬で終わります。だいたい試験問題に出てくるのは、8%,9%,10%あたりで1~5年の期間なので(私が受験した当時の記憶です)、このあたりの割引計算に対応できるようにしておけば良いでしょう。もちろん、人それぞれこの時間で何を計算用紙にメモしておくかは違うと思いますので、有効に使ってください。

3.Multiple Choice戦略

試験本番の回答スピードは一問あたり約2分(100問/180分=1.8分)ですとても短いので、いかに問題を飛ばして解くかが重要になります。解ける問題から解いていくのが基本戦略なのですが、飛ばした問題には、保留フラグを立てておきましょう(未回答、保留、回答済みの三種類のどれかにチェックが入れられたと思います)。自信がない問題は、答えにチェックを入れたとしても、回答済みにしてしまってはいけません。こうすると、100問解き終わって再度解けなかった問題や自信のない問題を見直す際に、どれが対象だったかわからなくなります。100問のうち、どれが自信を持って解き切れて、どれが不安なのか、を明確にしてください
合格点は72%で、試験は4択です。勘で選んでも4問に1問は正解することになります。この観点から、合格に必要な回答量は、64問の自信回答(64点)と残り36問の不安回答(36/4=9点)の組み合わせとなります。これで73%になりますので。
問題を解いていると、簡単な問題も数多くありますので、ぜひ焦らずに取り組んでください。

4.どこでMultiple ChoiceからEssayに移るか

これが重要な判断となります。3時間をフルに使ってMC問題をある程度解けた状態であれば、Essayである程度書けるならば合格の可能性は高いです。ですので、3時間は目いっぱいMCに費やす戦略の方が良いと思います。ちなみに、MCで50%未満の正答率だと、Essayに進めずに試験が終了となりますので、この点からもMC問題を75点ほど取れた感覚まで解いてから、Essayに臨むのが良いでしょう。

5.Essay問題は恐るるに足らず

Essay問題というと、英語をたくさん記述しなくてはならないという気がしますが、半分は計算問題です。MC問題の計算過程を含めて画面上にタイプしなさい、という雰囲気だと思ってもらえれば良いです。ただし!Essay問題は英語に不慣れな人にとっては思うようにタイプが進まず、焦ってしまいます。1時間で大問2個、それぞれの大問に5-6問の小問がありますので、10-12個のボックスに英語を埋める必要があります。ひとつあたりの所要時間は5-6分ととても短いので、問題を見て頭が真っ白になるようなら、その問題は飛ばしてください。あとの方に意外に簡単な問題があったりします。私の感覚では、何でもいいから書けば部分点がもらえる気はしませんでした。的を得た回答を簡潔に記述すること、が高得点のカギだと思われます。

FP&Aの仕事は忙しいのか(コントローラー編)

前回の投稿から大分時間が経ってしまいましたが、この間に世の中は大きく変わってしまいましたね。。。 今日はFP&Aの業務量について。 FP&Aという仕事は、以前は外資系にのみ存在する仕事というイメージがありましたが、NECや資生堂など著名な日本企業でも普及し始めたと...