2016年3月14日月曜日

USCMA(米国公認管理会計士)以外の資格(簿記やCPA、BATIC)について

このブログは米国公認管理会計士(USCMA)について書いているのですが、私は他にもいろいろと資格の勉強をしてきましたし、身近にそういった資格を取得されている方と仕事をしてきましたので、就職活動、転職活動において、どういった資格が評価されてきたかということを、私見のみで書いていきたいと思います。

①日商簿記1級、2級、3級

私が新卒の就職活動の時には、日商簿記2級、3級を引っ提げて臨みました。理系大学院卒のバックグラウンドでファイナンス職を志すにあたり、日系企業の経理財務部、外資系企業のフィナンシャルアナリスト職、どちらに対しても日商簿記2級は評価されましたコントローラーとして活躍するために、そのベースとなる会計知識を学ぶことはとても有意義で、スタートラインに立つという目的においてこの資格の右に出るものはないと思います。日商簿記2級の資格は経理部で伝票を切るだけの資格にとどまりません。外資系コントローラーを目指す方があとで足をすくわれないために、取得しておく価値が十分にあります。
逆に言えば、将来的に経理部の方と会話する時に困らないための資格とも言えます。

ちなみに、私は1級は勉強だけして合格していませんが、1級取得の女性と、2級取得の私とで集団面接に臨みましたが、利益管理関係の職種では彼女とそれほど印象に差はなかったように思います。実際の評価はわかりませんが、新卒の段階では1級と2級の差はわずかだと思われます。

転職活動においても、簿記を知っている=日商簿記検定2級を持っているという感じでした。これを持っているだけで基礎力があると判断され、基本的なセミナーなどへの出席は不要という評価となります。よりレベルの高い仕事にすぐに入っていくためにも、転職市場においても価値のある資格です。

1級の内容は、7-8年目になった現在、徐々に必要性を感じてきています。連結会計については、知っていないとそもそもそういった話ができないので、連結を知るために1級を勉強しておくことは意味があります。

②BATIC

こちらも会計系に興味のある方でしたら気になる資格だと思われます。いわゆる英文会計のベース資格です。日商簿記検定と同じく、東京商工会議所が主催している資格で、Level 1、Level 2という二つのレベルで構成されています。内容は仕訳や計算が中心で、英語ベースで会計知識を学ぶことにはとても意味がありますが、日商簿記検定の英語版にはなりえませんし、知名度も日商簿記検定よりも低いです。私は外資系でファイナンス職に就いていましたが、BATICを持っていると言っている人には一人も出会いませんでした。

私は大学生の段階で、Level 1だけ勉強して英語の表現を学ぶことができました。また、Level 2に出てくる内容を社会人になってから見返してみると、一つ一つのコンセプト(考え方)をざっと知っておくと良いかな、と思える内容でした。そういう意味で、内容としては実務上も価値のあるものなのですが、費用対効果、時間帯効果でしたら、圧倒的に日商簿記検定をおすすめしたいです。

③USCPA(米国公認会計士)、USCMA(米国公認管理会計士)

そもそも大学卒業していないと受験資格が得られないので、新卒段階でこの資格群を取得しておく必要はありません。が、これらの資格のことを知っているということはとても重要です。新卒の段階で、米国公認会計士の勉強を今後していく意思を示すことはとても有意義なことのように思います。研修プログラムが充実していると言われている企業においても、ファイナンス系の研修がそろっているという企業は極めてまれだと思われますので、ファイナンス分野で身を立てていこうという方にとっては、自主的に勉強を継続していく必要があります。
どちらの資格も英語力が求められますので、英語を高めていく意思を示すことにもなりますので、新卒の方にはぜひこれらの資格を将来的に見据えて就職活動をしていただきたいです。

一方、転職活動においては、これらの資格はかなり威力があります。USCPAなどは募集要項にも記載されているケースが多く、書類選考通過までは保証されていると言っていいのではないでしょうか。

④MBA

新卒段階でMBAを勉強している学生が、増えているように思います。いわゆる、大学院で経営学専攻をされている学生です。ファイナンス職を志す方にとっては、これらの方々が新卒市場でのライバルとなることも多いと思います。が、専門的な論文・研究をされていることのほうが、私はずっと価値のあることのように思えます。多くの企業はMBAに採用を限定していませんので、MBA採用をしている企業を狙うのでなければ、新卒段階でこれを取得しなくても大きな問題ではありません。大学における”ビジネスと関係のないものに熱中できる時間”をぜひ大切にしていただきたいです。

私の先輩でも、米国のビジネススクールに合格していましたが、USCPA取得を選んでいます。もしMBAに興味があるのであれば、社会人として2-3年経験を積んでから米国ビジネススクール、そして外資系のお好みの企業に転職という方法であれば成功事例が身の回りにあります。あとは、Managerになってから、日系のビジネススクールの夜間・土日クラスに通う、というケースも良いと思います。

優秀な方であれば、MBAに入学せずとも、海外本社へのアサインメント等でビジネスを(MBAとは違いますが、実践的な形で)学ぶ機会は与えられている例が多いですので、まずは自分の足元の仕事に集中して、それから検討しても良いのかな、と思います。

⑤TOEIC、英検

最後に、英語系資格について書いてみたいと思います。英語系資格は、上のすべての資格の中で一番威力があり、一番汎用性があり、一番使えますが、一番伸び悩む人が多いスキル、という印象です。
TOEIC700くらいまでは非常に数が多く、目を引くほどのアピールにはなりません。800を超えてくると、新卒市場ではかなりの威力を発揮します。英語の試験は簡単にパスできますし、英語力が不足しているという理由で落とされることはほとんどありません。英検では準1級レベルがこれに相当します。

次に、TOEIC900の水準は企業内評価はそれなりにあり、英語系の仕事でも問題なしと判断されます(英文メール、海外アサイニーとの会話等)。外資系企業での転職市場でもこのあたりになれば、まず英語力不足を理由として落とされることはないものと思われます。ただし、転職市場においては、転職エージェントの方との英語チェックがありますので、実際はそこで”英語が話せない”TOEIC900ホルダーはちょっと外資系では厳しいかな、という評価になる可能性がありますので、エージェントとの面談アポを取った方は注意してください。

上記の点数は、入社するまでの英語力としては十分というだけであり、実際に外資系で英語を使って仕事を円滑に進めるためには、だいたいTOEIC950が必要です。950を取ればよいという意味ではなく、結果的に950をとれている方が、外資系でも生き生きと働いているという意味です。
私の周りでも、900と950の差は顕著です。この50点の差は、会社での評価を左右すると言っても過言ではないくらいの大きな差ですので、英語については特に力を入れて勉強していただきたいと思います。
ちなみに、英検1級ホルダーは身近にはいません。TOEICの方がビジネス向きと思います。

まとめ

以上のとおり、ファイナンス職に関係のある資格をいくつか私の視点で書いてみました。
主観で述べたものですので、ほかにも多くの要素が重なり合っていることは言うまでもありませんが、これからこういった資格を取得してみたいと思う方々は、ぜひ一つの参考としてみてください。

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