2017年2月19日日曜日

USCMA(米国公認管理会計士)は独学で合格可能なのか?

米国公認管理会計士という資格に縁あって出会った皆様。
よくぞ見つけてくれました、という資格試験です(笑)

そのくらい、日本人にあまり馴染みのない試験です。

書店の資格コーナーで、全資格の載っている辞書みたいな本がありますが、その中でも、米国公認会計士(USCPA)はあれど、管理会計士の資格はなかなかお目にかかれないのではないでしょうか、、

私は大学生の時に、なんとなく購入した資格本の中でこの資格に出会いました。
とはいえ、理系の私は、最初は技術系資格(技術士とか環境計量士)を探す目的で購入したわけで、まさか米国系資格のコーナーを開くことになるとは思いませんでしたが、、(笑)

いずれにせよ、情報が非常に限られた試験であることは間違いありません
また、試験制度も当初の4パート制から2パート制へと移行しており、日々のアップデートにも対応しなければなりません。

では、スクール講座が出てきた今、果たして独学で取得するのが効率的なのでしょうか?
ここでは、簿記の知識、そして英語力、の二つの観点で場合分けしてお伝えしていこうと思います。

①簿記に馴染みがあり(日商簿記2.3級レベル)、英語に苦手意識がない

USCPAなど他の米国系資格を既に取得済み(学習済み)の方もここに該当します。
この方々は、独学で十分です。
スクールに行く手間とコストを考えると、好きな場所(家とかカフェとか)でテキストを読み込んで理解し、問題をひたすら解くことで合格レベルまで到達します。

TOEICのreadingが300点程度あれば、英語のテキストを独力で理解できますし、教えてもらうより、効率よく学習できます。

②簿記に馴染みがないが、英語に苦手意識がない

外資系にいて、急遽経理部に興味を持った方や、銀行から事業会社のファイナンスに転職したい、といった方々でしょうか。

この方々は、二つの道があります。
一つ目は、簿記3級を学習して、会計基礎を身につけてから、USCMAのテキストに入るという方法。

基本的にUSCMAは、簿記の高度な力は求められませんが、会計はさっぱり、という状態ですと厳しいかもしれません。簿記3級は、適性が合えば2週間、そうでなくても1ヶ月で理解しきれる内容ですので、これを一つのきっかけとして、USCMAのテキストに進んでもらうのが良いと思います。

余談ですが、外資系投資銀行で活躍して、30歳前後でヴァイスプレジデントまで登った私の知人の言うには、外資系投資銀行(いわゆる投資意思決定、キャッシュフローからのNPV計算、財務の最適化といったファイナンスの概念が求められる業界)では、簿記は3級あれば十とのこと。
USCPAは、スタートラインとして簿記2級程度以上ないと厳しいと言えますが、ファイナンスを生業とする仕事(USCMAは管理会計の資格ですが、投資意思決定評価等の概念がバンバン登場します)では、簿記3級をお持ちならば、スタートラインでは十分と言えます。

以上余談でしたが、USCMAをスタートするにあたり、
損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の概念については把握した上で臨むのが良いと思います。

どうしても簿記3級を独習するのは、嫌だ!
という方には、もう一つの方法、スクールに行く、という方法です。
某大手スクールの講座内容を見る限り、簿記初習者を想定として英文会計の基礎からステップアップしてくれるので、簿記に馴染みがない方でもチャレンジできます。

ここから先は、各スクールの管轄ですので、私が意見を述べるのは控えさせていただきますが、私自身、独学で十分合格ラインに達しましたので、簿記3級からのステップアップを検討いただけると良いと思います。

③英語が苦手な方

テキストを購入される前に、自分がこの資格を取って何をするのか、を繰り返し考えてみてください
USCMAは、外資系企業であればそれなりに評価されますが、日系企業ではやはり簿記、公認会計士の方が威力があります。
海外との取引がある大企業においてさえ、USCMAという資格の価値(取得にかかるコストと、そのリターンの割合)が十分実りあるものになるかは疑問です。

ですので、英語で仕事をすることに興味がない方には、向かない資格だと思います。

ただし、英語が苦手だが、将来的に外資系の経理に入りたいんだ、という方がいらっしゃるなら、テキストを一冊購入してみてください。
ここで、間違ってもTOEICや英検の勉強を始めてはいけません

USCMAは、テキストをじっくりと読み込んで理解する、そして付属の問題(多くは過去に出題された問題がテキストに載っています)を解く。というステップで進みます。
スクールでは、解き方のコツや問題文の読み方など、様々なアイデアを与えてはくれますが、いざ本番試験において英語の長文問題を目の前にして、それを解ききれるかというと、それはどれだけ多くの問題を実際に解いてきたか、にかかっています。

スクールに入学するよりもはるかに安く、テキストは購入できますので、英語の部分がどうしても不安だ、という方はぜひウェブページから購入して、その目で中身を確かめてみてください。

テキストの選び方については過去に私のブログで紹介しましたので
こちらをご覧ください。
http://everyday-friday-uscma.blogspot.jp/2016/02/blog-post_29.html

結果、スクールに通うから使わなくなった、でも良いのです。
どういう雰囲気の資格なのか、それはテキストを見れば実感できます。

最後に、合格までにかかる時間について。
私は①(簿記2級で英語は苦手ではない)でしたが、
ある程度残業がある社会人として、土日2-3時間ずつと平日夜の1時間程度を勉強に充てました。結果、1パート合格まで半年程度でした。パート2は一度不合格でしたので9カ月ほどかかりました。

参考にしていただければ幸いです。

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